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レトリカ 比喩表現辞典

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80年代の後半(特に90年代)は私の人生の移動時代で、海を越えたり国境を越えたり、移動距離だけではかなりのものでした。
引越しでは、それまで所有していた荷物を処分し、スーツケースひとつで動くことを信条としていたのですが(さすがに子どもがいるとそうもいかないですが、ま、昔話…ということで)、その際に困るのは「本」。
CDなんぞは、1000枚近いコレクションでも「えいや!」と処分できるくらい執着がないのですが、しかし本となるとそう簡単には処分できず。


それでも20年近い移動時代を観察してみると、必ず持ち歩いている「本」の種類は2種。


辞書と村上春樹


いや、笑うなかれ。
いつでも買い換えられるものとはいえ、使い込んでページの染みつきで覚えている「ことば」への執着というのはなかなか捨て切れません。


国語辞典は持ってきているものの、いまだに「しまった!」と思うのは、漢字辞典と古語辞典。(万葉集は持ってきてますけどね。笑)
通訳やら翻訳の仕事はいまも継続しているので、英語辞典は数種保持。途中で買い換えた分厚い新しいものもあるのですが、それでも昔から使っているよれよれの辞典が一番愛着があったりして。(…で、実は一番愛着のある英和辞書は、大昔に親父から贈られたものだったりします。感謝!)


そんななか、もうひとつ愛着があって手放さないのが、タイトルの「レトリカ」。
榛谷泰明(はんがいやすあき)氏編による「比喩表現辞典」です。
第2版も出されているそうですが、私の持っているのは、1988年発行のもの。


古今東西の小説・詩・戯曲・評論などに見られる比喩表現の名言名句のなかから、1300項目、4000事例を選び、50音順に配列した、機能的でコンパクトな文章表現の宝庫。
好評の前著より現代作家の収録を中心に項目・事例とも大幅に追加、より幅広く気の利いた表現を知ることができる。
(*紀伊国屋書店より)



これは何度読んでもいつも感嘆させられるし、イメージをあらゆる可能性に飛ばせることができる最高の辞典。


編者の「はしがき」に、ロシアの詩人、オシップ・エミリエヴィチ・マンデリシュターム(Osip Emilevich Mandelstam)の詩が引用されていますが、その後自分がロシアにかかわりを持つようになるとは思いもしませんでしたわ。


榛谷氏を比喩表現の編修に駆り立てたマンデリシュタームの詩(「蹄鉄を見つけた人」)はこちら。


Where to begin?
Everything creaks and sways.
The air is vibrating with similes.
Not one word is better than another,
The earth tolls with metaphor,


なにから始めようか
すべてが音をたてて揺れている
空気は比喩におののいている
とりたててうまい言葉もない
大地は隠喩のようなうなりを出している
(峯俊夫訳)




なんていうことを、Oxford English Dictionary 20巻を一年かけて読破した男性の記事を読んで思い出しました。
>> The man who reads dictionaries (BBC)
彼(Ammon Shea)の言葉には、ひとつひとつ共感できます。
言語とは、かくも魅力的なものであります。



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